2026年にオーストラリアで開催されるAFC女子アジアカップの組み合わせが決定しました。アジアの頂点を目指すなでしこジャパンは、グループCでベトナム、インド、チャイニーズ・タイペイと対戦します。
2018年大会以来の女王奪還、そして2027年女子ワールドカップへの出場権獲得に向けた、なでしこジャパンの戦いが始まります。この記事では、大会の概要から各グループの徹底分析、そしてなでしこジャパンの展望まで、詳しく解説していきます。
AFC女子アジアカップ2026の概要

AFC女子アジアカップ2026は、アジアの女王を決めるだけでなく、2027年にブラジルで開催される女子ワールドカップの出場権を懸けた重要な大会です。2023年の女子ワールドカップを成功に導いたオーストラリアが開催国となり、再び南半球が熱気に包まれます。
大会方式と日程
今大会には12チームが参加し、4チームずつの3グループに分かれてグループステージを戦います。各グループの上位2チームと、各グループ3位チームのうち成績上位の2チーム、合計8チームがノックアウトステージに進出するレギュレーションです。
開催国オーストラリアと、前回大会の上位3チームである中国、韓国、そして日本は予選を免除され、本大会からの出場となります。残りの8枠は激しい予選を勝ち抜いてきたチームです。
正式名称 | AFC Women’s Asian Cup Australia 2026™ |
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開催期間 | 2026年3月1日~3月21日 |
開催地 | オーストラリア(パース、ゴールドコースト、シドニー) |
2027年女子ワールドカップへの道
この大会が持つ最大の意味は、FIFA女子ワールドカップブラジル2027™のアジア最終予選であることです。アジアには6つの直接出場枠が与えられており、その獲得プロセスは非常に過酷です。
準々決勝に勝利した4チームは、その時点でワールドカップへの切符を手にします。一方で、準々決勝で敗れた4チームは、残りの2つの直接出場枠を懸けてプレーオフを戦わなければなりません。この準々決勝の一戦が、まさに天国と地獄の分かれ道となるのです。
グループステージ徹底分析

今大会の組み合わせ抽選会では、史上初めてFIFA女子世界ランキングがシード分けに採用されました。この変更により、前回女王の中国がポット2に入るなど、勢力図が大きく変動し、興味深いグループ分けが実現しました。
グループA|開催国オーストラリアと韓国の強豪対決
開催国オーストラリアと前回準優勝の韓国が同居するグループAは、初戦から目が離せません。ワールドクラスの攻撃陣を擁するオーストラリアが、熱狂的なホームの応援を背に有利と見られます。
しかし、技術力に定評のある韓国も侮れない存在です。フィリピンとイランを含めた4チームの戦いは、上位2チームの座を巡る激しい争いになるでしょう。
グループA |
オーストラリア |
韓国 |
イラン |
フィリピン |
グループB|元女王たちが集う「死の組」
私が今大会で最も過酷だと考えているのが、このグループBです。優勝経験を持つ北朝鮮と、前回大会チャンピオンであり最多9度の優勝を誇る中国が同じグループに入りました。まさに「死の組」と呼ぶにふさわしい激戦区です。
長らく国際舞台から遠ざかっていた北朝鮮の実力は未知数ですが、伝統的な強さは健在です。この2強に中央アジアの強豪ウズベキスタンがどう絡んでくるのか、非常に注目されます。初出場のバングラデシュにとっては厳しい戦いが予想されますが、貴重な経験の場となります。
グループB |
北朝鮮 |
中国 |
バングラデシュ |
ウズベキスタン |
グループC|なでしこジャパン、女王奪還への道筋
なでしこジャパンは、ベトナム、インド、チャイニーズ・タイペイと同じグループCに入りました。客観的に見て、日本のグループ首位通過は揺るぎないと言えます。焦点は、いかに万全の状態でノックアウトステージへ進むかです。
対戦相手分析
対戦相手はいずれも近年力をつけており、油断はできません。ベトナムは2023年にワールドカップ初出場を果たし、インドは勢いに乗っています。チャイニーズ・タイペイも古豪としての意地があります。
グループC |
日本 |
ベトナム |
インド |
チャイニーズ・タイペイ |
過去の対戦成績
過去のデータを見ると、日本の優位性は明らかです。しかし、この数字に慢心することなく、一戦一戦を大切に戦う必要があります。
対戦相手 | 日本の勝利 | 引き分け | 日本の敗戦 |
ベトナム | 9 | 0 | 0 |
インド | 1 | 0 | 0 |
チャイニーズ・タイペイ | 8 | 0 | 0 |
決勝トーナメントへのシナリオ
なでしこジャパンにとって、グループCを1位で通過することは絶対条件です。1位で通過すれば、準々決勝では他グループの3位通過チームと対戦できる可能性が高く、有利な状況でワールドカップ出場権獲得に王手をかけられます。
もし2位通過となると、準々決勝で「死の組」グループBの1位(北朝鮮または中国)と激突することになり、極めて厳しい戦いを強いられます。グループステージの戦い方が、大会全体の運命を左右するのです。
AFC女子アジアカップ2026の視聴方法

現時点での日本国内における主な視聴方法は、スポーツ・ストリーミングサービスのDAZNになる見込みです。AFC主催大会の放映権をDAZNが保有しているため、今大会も全試合がライブ配信されると考えられます。
放映権契約にはテレビ朝日での放送も含まれており、なでしこジャパンの重要な試合、特に決勝トーナメントの試合が地上波で放送される可能性もあります。詳細な放送スケジュールは、大会が近づくにつれて発表されるでしょう。
まとめ

AFC女子アジアカップ2026は、アジアの勢力図が大きく変わる可能性を秘めた大会です。新興国の台頭や、北朝鮮の復活により、群雄割拠の時代に突入しています。
その中で、なでしこジャパンが女王の座を奪還するためには、これまで以上に戦術的な成熟と精神的な強さが求められます。まずはワールドカップ出場権を確実に獲得し、その勢いのままアジアの頂点に返り咲く。オーストラリアの地で、なでしこジャパンが再び輝く姿を期待しています。