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草壁シトヒ
くさかべしとひ
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8人制サッカーのフォーメーションとポジションの役割を徹底解説

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8人制サッカーは、通常の11人制サッカーに比べてフィールドが狭く、プレーする人数が少ない分、各ポジションの役割が一層明確になります。

しかし、人数が少ない分、選手一人ひとりの動きがチーム全体のパフォーマンスに大きく影響します。攻守の切り替えが激しく、全員が一丸となってプレーすることが求められるため、各ポジションでの役割理解と連携が特に重要です。

この記事では、8人制サッカーの主なポジションとその役割について詳しく解説し、チーム戦術におけるフォーメーションのポイントについても触れていきます。

タップできる目次

8人制サッカーとは?

8人制サッカーは、日本サッカー協会(JFA)がU-12(12歳以下)年代の標準フォーマットとして導入した、明確な育成哲学に基づいたシステムです。これは単なる「ミニサッカー」ではなく、11人制サッカーの本質を維持しつつ、育成年代に最適化された環境を提供することを目的としています。

JFAが推奨する8人制サッカーには、育成面で多くの利点があります。

  • 一人当たりのボールタッチ数の増加|フィールド上の選手が少ないため、各選手がボールに触れる回数が必然的に増加します。
  • プレーへの関与回数の増加|全員がボールに近いエリアでプレーすることになり、間接的にもプレーへ関与する割合が増えます。
  • 戦術的負荷の低減|ピッチ上の選手が少ないため、選手が認識し判断するために「見る対象」が減り、戦術的な判断がより明確になります。
  • ゴール前の攻防の増加|ピッチサイズが小さいため、ゴール前でのシュートや守備の機会が頻繁に発生します。

指導者にとって、フォーメーションの選択は、このJFAの育成哲学と、試合に勝利するという短期的な目標との間で、どのようにバランスを取るかを示す行為です。個々の選手のスキル向上とサッカー理解を深めることが最優先されます。

一方で、勝利を目指すことも重要です。最適なフォーメーションとは、チームの現状、選手の特性、そして指導者の育成哲学という3つの要素を評価し、選択されるべき「ツール」です。

8人制サッカーのポジションと役割

8人制サッカーのフォーメーションは、ゴールキーパー(GK)を除く7人のフィールドプレーヤーを、ディフェンダー(DF)、ミッドフィルダー(MF)、フォワード(FW)の3ラインにどのように配置するかで定義されます。

フィールドプレーヤーの3ライン

7人のフィールドプレーヤーは、大きく3つの役割に分類されます。それぞれの基本的な役割を理解することが、戦術理解の第一歩です。

ディフェンダー(DF)

ディフェンダーの主な役割は、自陣のゴールを守り、相手の攻撃を防ぐことです。相手のフォワードに仕事をさせないことが求められます。

ミッドフィルダー(MF)

ミッドフィルダーは、ディフェンスとオフェンスを繋ぐ中盤のポジションです。攻守両面に関与し、試合の主導権を握る上で重要な役割を担います。

フォワード(FW)

フォワードの主な役割は、相手ゴールに迫り、得点を奪うことです。チームの攻撃の最前線に立ち、ゴールを目指します。

2バックと3バックの根本的な違い

指導者が行う最初の、そして最も根本的な戦術的決定は、「2バックシステム」を採用するか「3バックシステム」を採用するかという哲学的な選択です。

3バックシステム(例|3-3-1, 3-2-2)

このシステムは、本質的に「守備的空間の完全性」を優先します。3人のディフェンダーを配置することにより、自陣ゴール前の横幅を物理的にカバーすることを目指します。

リスクを最小限に抑え、守備の安定性を確保したい場合に適した選択です。

2バックシステム(例|2-3-2, 2-4-1)

このシステムは、守備ラインの人数を最小限の「2」にすることで、他のエリア(中盤または前線)での「数的優位」を創出することを優先します。

この選択は、守備の側面(サイド)に広大なスペースが生まれるという構造的脆弱性を受け入れることを意味します。MFの選手が自陣深くまで戻る(トラッキングバック)といった守備動作が不可欠となります。

8人制サッカーの主なフォーメーション

U-12年代で一般的に採用される主要なフォーメーションは、主に「2-3-2」「3-3-1」「2-4-1」「3-2-2」の4つです。私が考えるに、それぞれのシステムの長所と短所を理解し、自チームの選手に適合するものを選ぶことが勝利への近道です。

2-3-2(攻撃的バランス型)

2-3-2フォーメーションは、しばしば最も「バランスの取れた」配置として言及されます。DF、MF、FWの各ラインに選手を均等に配分します。

構造と長所

最大の長所は「攻撃の厚み」です。FWを2人配置することで、FWの孤立を防ぎ、常に複数の攻撃オプションを持つことができます。

また、この配置は構造的に斜めのパスコースを作りやすく、選手が良い身体の向きでボールを受けやすいという利点もあります。

短所と戦術的課題

このシステムの明確かつ重大な欠点は、「守備の脆弱性」です。DFラインが2枚であるため、中央突破とサイド攻撃の両方に対して脆弱になります。

相手が2人以上のFWを配置してきた場合、構造的に数的不利または同数となり、守備が難しくなります。

2-3-2の核心|FWの守備タスク

このフォーメーションの守備的安定性は、DFラインの2人ではなく、前線のFW2人の守備意識と実行力に完全に依存しています。相手が中盤でボールを保持した際、もしFWが守備を怠ると、MFが前に引き出されます。

その結果、中央に危険なスペースが生まれ、システムは崩壊します。FWが斜め後ろに下がり、MFが空けたスペースを埋める「ダイアゴナルドロップ」という戦術的規律が必須です。このシステムは、FWの守備規律という高度な戦術を教え込めるかが試されます。

3-3-1(堅守・中央支配型)

3-3-1フォーメーションの最大の利点は、その「守備の安定性」にあります。3人のDFを配置することで、DFラインは相手の攻撃に対して効率的に対応できます。

構造と長所

3人のDFの上に3人のMFが配置されるため、ピッチ中央部には6人の選手が密集します。これにより「中央の支配力」が向上し、ボールポゼッションを高め、ゲームの主導権を握りやすくなります。

守備時には、この3-3のブロックが強固な守備網を形成します。

短所と戦術的課題

最も頻繁に指摘される欠点は、1トップの「フォワードの孤立」です。1人のFWは相手DFに囲まれやすく、十分なサポートが得られないことが多いです。

3人のMFが中央に寄りがちになるため、「サイド攻撃の不足」も顕著な問題となります。これにより、攻撃が中央からの単調なものになりやすいです。

3-3-1の核心|孤立の解消

指導者の課題は、この静的な構造が「推奨しない」攻撃のメカニズムを、いかにして選手に実行させるかにあります。FWの「孤立」は症状にすぎません。

解決策の一つは、DFの攻撃参加です。3バックの両脇の選手が「サイドバック」として積極的に攻撃参加し、「幅」を生み出すことです。もう一つは、MFが積極的に前線へ飛び出し、事実上の「セカンドアタッカー」としてFWをサポートすることです。

2-4-1(中盤制圧・ハイプレス型)

2-4-1フォーメーションの戦術哲学は、MFのポジションに最多の4人を配置し、「中盤を制圧する」ことに尽きます。

構造と長所

この4人のMFラインは、このシステムの「ストロングポイント」です。相手陣地の「高い位置でボールを奪う」ためのハイプレスを前提に設計されています。

中盤でボールを奪えれば、素早く手数の少ない攻撃(ショートカウンター)でゴールに迫ることができます。

短所と戦術的課題

このシステムはポゼッションサッカーには向きません。構造的にパスコースやトライアングル(三角形)が作りにくいためです。

3-3-1と同様に、1トップのFWが孤立しやすい問題もあります。守備面では、2バックシステム固有の側面の脆弱性を抱えており、ハイプレス戦術によってその弱点がさらに増幅される危険があります。

2-4-1の核心|サイドMFの運動量

このフォーメーションが機能するか否かは、両サイドに配置された2人のMF選手の能力にほぼ全てがかかっています。彼らには、戦術的にも肉体的にも「極めて過酷な」要求が課せられます。

彼らは、攻撃時と守備時の両方で、チームの「幅」をすべて担当します。攻撃時にはFWを追い越し、守備時にはDFラインまで戻ってスペースをカバーする、膨大な運動量が求められます。

3-2-2(守備的カウンター型)

3-2-2フォーメーションは、その名の通り「守備を重視し、カウンター攻撃を狙う」システムです。3枚のDFラインが守備の安定性を確保します。

構造と長所

DFの前に2枚のMFが配置されることで、中央に5人の強固な守備ブロックを形成します。攻撃面では、FWを2枚配置しているため、1トップの孤立という問題を回避できます。

守備ブロックでボールを奪った後、前線に残る2人のFWに素早くボールを供給することで、即座にカウンターアタックへ移行します。

短所と戦術的課題

このシステムの構造的欠陥は、明確に「中盤」にあります。MFが「2」であるため、他の中盤が厚いフォーメーションと対峙した場合、中盤で恒常的に「数的不利」を背負います。

これにより、チームはポゼッション(ボール支配)をほぼ放棄することを余儀なくされます。攻撃の手段は、中盤を経由した組み立てではなく、DFラインからFWへの「ロングボール」といった、極めて直接的なものに限定されがちです。

育成面での懸念

3-2-2は、試合に「勝利する」ための「効果的な」戦術かもしれません。足の速いFWと屈強なDFがいるチームには構造的に合致します。

しかし、このシステムは戦術的に「中盤をバイパスする」ことを前提としています。JFAが育成年代で推奨する「ボールタッチ数の増加」や「プレーへの関与」という指針とは、対立する可能性があります。ポゼッションやビルドアップといった現代サッカーの重要な原則を学ぶ機会を放棄する側面も持ち合わせています。

まとめ

フォーメーションはそれ自体が「目的」ではなく、チームを勝利に導き、選手を育成するための「ツール」です。U-12年代において「最強のフォーメーション」を見つけることが目標ではありません。

指導者の真の目標は、自チームの「特定の選手たち」が、育成指針に沿って「特定の戦術的・技術的課題」を克服し、成長するために、現時点で「最適なツール(フォーメーション)」を選択し、それを正しく「指導する」ことです。

U-12年代のサッカーにおける究極の目標は、8人制というフォーマットの利点を最大限に活用し、スペース、プレッシャー、サポートといったサッカーの普遍的な「原則」を理解した、より「賢い」選手を育成することです。選手に「どこに立つか」を指示するだけでなく、その配置の「なぜ」を指導できるコーチこそが、育成年代の指導者として最も価値のある存在です。

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