セリエAは、1929年の公式なリーグ創設以来、数多くのスター選手が活躍してきたイタリアのトップリーグです。
その歴史の中で、シーズンごとの得点王に輝いた選手たちは、その時代を象徴する存在でもあります。
本記事では、1923年から2023年までのセリエA歴代得点王について、選手のプロフィールや特徴、注目すべき記録を取り上げます。
セリエA創設から1950年代の得点王
1920年代から1950年代にかけて、セリエAの得点王にはリーグ創設期のスター選手たちが名を連ねます。当時の得点王は、多くの選手が複数回のタイトルを獲得しており、強力なストライカーの時代でした。
1920年代の得点王
1920年代は、イタリアのサッカーが急速に発展した時代です。この頃の得点王は、クラブの枠を超えてイタリア全国でその名を知られる存在でした。
- ハインリヒ・シューンフェルト(トリノ、1923-24シーズン)
- トリノで活躍したシューンフェルトは、当時のサッカー界をリードした選手の一人です。彼の22得点は当時のリーグ最高記録でした。
- ジーノ・ロッセッティ(トリノ、1928-29シーズン)
- ロッセッティは36得点を記録し、リーグ得点王に輝きました。彼の活躍はトリノの黄金期を象徴しています。
1930年代の主な得点王
1930年代は、ジュゼッペ・メアッツァやフェリス・ボレルなどのスター選手が登場し、イタリアサッカーの基礎が確立された時代です。
- ジュゼッペ・メアッツァ(インテル、1929-30、1935-36、1937-38シーズン)
- インテルの象徴であり、彼の31得点は当時の新記録でした。メアッツァは3度得点王を獲得し、イタリアサッカーのレジェンドとしてその名を残しています。
- フェリス・ボレル(ユヴェントス、1932-33、1933-34シーズン)
- ユヴェントスでプレーし、リーグを代表するストライカーでした。1934年には31得点で2年連続の得点王に輝きました。
1940年代から1950年代の強豪
1940年代後半から1950年代にかけて、スウェーデンのグンナー・ノルダールなど、海外のスターがセリエAで活躍するようになり、リーグの競争力が向上しました。
- グンナー・ノルダール(ミラン、1949-50〜1954-55シーズン)
- 5度の得点王に輝いたノルダールは、セリエA史上最多の得点王タイトルを持つ選手です。彼の圧倒的な得点力はミランの成功に大きく貢献しました。
- ヴァレンティーノ・マッツォーラ(トリノ、1946-47シーズン)
- トリノの英雄マッツォーラは、29得点で得点王となり、トリノの黄金期を築きました。
1960年代から1980年代の特徴的な得点王
1960年代から1980年代にかけて、セリエAでは国際色豊かな選手たちが得点王に輝く時代が訪れました。戦術が高度化する中で、多くの記憶に残る選手たちが活躍しています。
1960年代の注目選手
1960年代は、イタリア国内のサッカー水準が大きく進化し、各クラブがより戦略的にチーム編成を行いました。
- ルイジ・リーヴァ(カリアリ、1966-67、1968-69、1969-70シーズン)
- イタリア代表でも活躍したリーヴァは、3度の得点王を獲得し、1969-70シーズンにはカリアリを初のリーグ優勝に導きました。
- オマール・シボリ(ユヴェントス、1959-60シーズン)
- 28得点を挙げて得点王となったシボリは、巧みなテクニックで知られ、観客を魅了しました。
1980年代のスターたち
1980年代には、イタリア国内のみならず、国外からも多くのスター選手がセリエAに参入し、リーグの知名度が大きく向上しました。
- ミシェル・プラティニ(ユヴェントス、1982-83〜1984-85シーズン)
- フランスのレジェンドであるプラティニは3年連続で得点王となり、そのテクニックと視野の広さでユヴェントスを支えました。
- ディエゴ・マラドーナ(ナポリ、1987-88シーズン)
- 15得点で得点王となったマラドーナは、ナポリを一躍トップクラブに引き上げ、その後のリーグ優勝にも貢献しました。
1990年代から2000年代初頭のトップスコアラー
1990年代には、サンプドリアのジャンルカ・ヴィアリやラツィオのジュゼッペ・シニョーリ、フィオレンティーナのガブリエル・バティストゥータなど、個性的なストライカーが得点王を争いました。
1990年代の主な選手
- ジュゼッペ・シニョーリ(ラツィオ、1992-93、1993-94、1995-96シーズン)
- ラツィオで3度の得点王に輝き、鋭いシュートとスピードを武器に活躍しました。
- ガブリエル・バティストゥータ(フィオレンティーナ、1994-95シーズン)
- 「バティゴール」の愛称で親しまれたバティストゥータは、フィオレンティーナの象徴的なストライカーでした。
2000年代の強力な得点王
- アンドリー・シェフチェンコ(ミラン、1999-00、2003-04シーズン)
- ミランで2度の得点王となったシェフチェンコは、スピードと決定力でセリエAを代表するストライカーでした。
- フランチェスコ・トッティ(ローマ、2006-07シーズン)
- ローマの象徴であるトッティは、26得点で得点王を獲得し、サポーターから絶大な支持を受けました。
2010年代から2023年までのトップスコアラー
2010年代以降は、ズラタン・イブラヒモビッチ、クリスティアーノ・ロナウド、チーロ・インモービレといった世界的なスター選手がセリエAで得点王に輝いています。
2010年代の注目選手
- アントニオ・ディ・ナターレ(ウディネーゼ、2009-10、2010-11シーズン)
- ウディネーゼで長年プレーし、2度の得点王に輝いたディ・ナターレは、正確なシュートで多くのゴールを記録しました。
- ズラタン・イブラヒモビッチ(インテル、2008-09シーズン、ミラン、2011-12シーズン)
- イブラヒモビッチは、異なるクラブで2度得点王に輝き、その圧倒的なフィジカルと技術でセリエAを代表する存在となりました。
2020年代の選手たち
- チーロ・インモービレ(ラツィオ、2013-14、2019-20、2020-21、2021-22シーズン)
- ラツィオで4度の得点王に輝き、2020年には36得点でセリエA歴代最多得点記録を更新しました。
- ヴィクター・オシムヘン(ナポリ、2022-23シーズン)
- ナポリで得点王となり、彼の活躍はクラブのリーグ優勝にも大きく貢献しました。
セリエA歴代得点王の意義と影響
セリエAの歴代得点王は、単なるゴールの多さだけでなく、選手の個性やプレースタイル、リーグの進化と共に変化してきました。
特に、長期間にわたって複数回の得点王に輝いた選手たちは、時代を超えてイタリア国内外で高く評価されています。
彼らの活躍を振り返ることにより、セリエAの歴史と進化を理解する手助けとなるでしょう。